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2014-08-20

【書評】やっぱりビジョナリーカンパニー2がものすごい


久々にこの本に関して話す機会があったので復習がてら再読してみました。昔よりもよく内容が理解できたので、ここに読書メモをあげておきます。

2001年に出版された本ですが、未だにここまで「Good to Great」の構造を見抜いている本はないのではないでしょうか。そしてその構造は同時に普遍的であり、企業だけでなく他の人間の集団、個人にすらアナロジーが応用できます。
新品の本で¥2,000以上しますが、自信を持って「買って読め」と言える本。むしろ読んでない人はモグリです。

第5水準のリーダーシップ

第五水準の指導者は二面性の典型例だといえる。謙虚だが意思が強く、控えめだが大胆なのだ。

本書で挙げられる11社の指導者達の例が痺れます。
親から継いだ家業を成長させて家電量販チェーンのサーキット・シティを築いたアラン・ウェルツは言う。

「見栄えの良い馬と農耕馬の違いだろう。向こうは見栄えの良い馬に近いが、わたしは農耕馬に近い。」

彼はイェール大学で法学博士号を取得しているし、会社でも最高の業績を達成しています。僕らからすれば全く農耕馬などでなく逆にサラブレッドのような印象を受けますが、彼自身は本当に自分がどちらかといえば農耕馬だと思っているのです。ちなみに彼は同社の成功要因を「幸運」だとインタビューで答えているそう。なんだこの謙虚さ。

ジム・コリンズはこんな彼らのことを、まるで職人のようだと表現しています。

針鼠の概念

アイザイア・バーリンは随筆「針鼠と狐」で、人間には狐型と針鼠型がいると指摘しました。

「狐はたくさんのことを知っているが、針鼠はたったひとつ、肝心要の点を知っている。」

狐は賢くさまざまな施策で針鼠を不意打ちにしようとする。しかし、針鼠はただ体を丸めて小さな球のようになる。狐の方がはるかに知恵があるのに、勝つのはいつも針鼠。
この例からジム・コリンズらチームは針鼠型の人の特徴をこう結論付けます。

針鼠型の人たちは、複雑な世界をひとつの系統だった考え、基本原理、基本概念によって単純化し、これですべてをまとめ、すべての行動を決定している。
世界がどれほど複雑であっても、針鼠型の人たちはあらゆる謀題や難題を単純な、そう、単純すぎるほど単純な針鼠の概念によってとらえる。

偉大な人々はみな批判されるほど物事を単純化してとらえるといいます。ダーウィンは自然選択に、マルクスは階級闘争に、フロイトは無意識の世界に、アダムスミスは分業にそれぞれ関心を集中させています。針鼠なのです。

彼らは、針鼠の概念は以下の3つの円が重なり合う部分に関する理解深いから導き出されているといいます。

1.自社が世界一になれる部分はどこか
2.経済的原動力になるのは何か
3.情熱をもって取り組めるのは何か

ウォルズグリーンの例を読むとなんかもう泣けてくる。「もっとも便利な最高のドラッグ・ストアで、来客一人あたりの利益を最大化する。」この概念を掴んだ後突破口を開き、GEやコカコーラを上回る実績を上げています。
ジム・コリンズらチームは、創業者のコーク・ウィルグリーンになぜそこまでの実績を上げられたのかをもっと掘り下げてわかりやすく説明してほしいと求めました。そうすると彼は少々苛立ちながらこう言ったそうです。

「そんなに複雑な話ではない。概念が掴めたら、後はひたすら真っ直ぐに進んでいくだけだ」

かっこよすぎる。

規律の文化

今回の調査の過程で、いくつかの言葉に繰り返しぶつかることが印象的だった。
「規律」「厳しい」「根気強い」「断固として」「熱心」「凡帳面」「綿密」「組織的」「整然と」「職人のように」「厳格」「一貫性のある」「絞り込んだ」「責任ある」「責任をとる」といった言葉が、飛躍した企業に関する記事、インタビュー、原資料には繰り返し使われていた。
そして、直接比較対象企業の資料にはおどろくほど見当たらなかった。
飛躍を遂げた企業の人たちは、それぞれの責任を果たそうとする人ではなく、システムを管理する欲が極端に強く、熱狂的ともいえるほどの場合すらある。
われわれはこの点を「コッテージ・チーズを洗う」と表現するようになった。

3つの円が重なり合い、熱狂的といえるほど針鼠の概念を維持して、規律ある行動をみながとる文化築きあげること。そのためにやることは、みずから規律ある人を集め、彼らが徹底的に考えることです。

ジム・コリンズらチームの表現はとてもおもしろいです。「コッテージ・チーズを洗う」人とは、トライアスロンの世界的選手の逸話から取っているそうな。
彼は毎日の練習で自転車120km、水泳20,000m、長距離走27kmこなしているとのこと。それでもコッテージ・チーズを洗って脂肪分を取り除いてから食べているんだとか。まさに鉄人。

大事なのは、このことで少しでも自分の力が強まると確信していること。そう、強烈なほど一貫した規律のある一貫した計画を作り上げているのです。
会社組織としてあるべきは、慎重に選び抜いた分野で世界一になるために必要なことを行い、一層の改善を目指す姿勢、その規律にあります。

僕自身も今回再読して良かったと思います。常に念頭に置いておくべきことを確認できました。これからも常にiPad Airの中において定期的に読み返します。未読の方は必読。ぜひ比較対象企業11社の例を読みながら打ち震えてください。


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