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2013-05-27

インドネシアのEコマースへの規制が吉と出るか凶と出るかを占う4つの論点

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先日政府から新興のEコマースサイトに対して新しい規制を設けるというお達しがありました。まーたそんなことして。さすがインドネシア政府です。各方面から非難囂々のようですが、今回はなぜその規制がいけないのかも含めて論じたい。

規制の内容

前提:インドネシアにあるEコマースサイトといかなる電子システム会社に適用する
目的:国産スタートアップを詐欺行為から守ること
・新興企業のローカルドメイン「.id」の取得義務の付与
・データセンターの設立義務

1.規制よりも財政支援?

本気で海外の競合他社から守りたいのであれば、財政支援・資金調達などインセンティブをあげた方がいいんじゃないでしょうか?
シンガポール政府はそのために、フリーWifiスポットをたくさん設けるなどして支援しているようです。

2.電子商取引と公的サービスの定義の曖昧さ

そもそもTokobagusのような様々なEコマースサイトのビジネスモデルではオンラインでの活動はほとんど行われていません。プラットフォームとして機能しているだけであったり。例えばそんなTokobagusは、本当に政府の規制対象になるような商取引をしていると言えるのでしょうか?

それにこの規制の考え方において、Eコマースのプレイヤーが公的サービスと見なされることに関しても議論の余地があります。電子商取引において、個人の自由は保障されるべきであるし、オンラインで何もしようがオフラインで何があろうが、それは個人の自由であるからです。規制の考え方では、個人のアカウントはオンライン上で売買する際に、その証明書を提示しなければならなくなります。

3.ローカルデータセンターの価格

続いてデータセンターについて。政府の草案にはローカルのデータセンターを使用しなければならないとされています。それは同時に、政府がローカルデータセンター内のデータに関して簡単にアクセスできてしまうということを意味し、他国ではそれはあり得ません。

それに実際、現状としてはインドネシアのEコマースプレイヤー達は諸外国のデータセンターを使用している。理由はその価格が安いというところにある。ローカルデータセンターの使用料は諸外国のもののおよそ2倍にもなるようです。2倍て・・・。

4.ローカルドメインの取得の是非

これも公的サービスとしてのセキュリティ問題を解決するためという理由で提案されているものです。
しかしローカルコンテンツで溢れているあの中国でさえもローカルドメインを使用しろと命じることなどしていないと、Tokopedia co-founder William Tanuwijayaは指摘しています。
政府は公式の声明として多くの詐欺行為が報告されているからだと言うが、果たして誰が当局の示す多くの詐欺行為を知っているのだろうか、と疑問を呈している。

ここまで議論の余地のある点を書いてきましたが、まだASEAN Free Trade Area (AFTA) in 2015にて議論される予定なのでまだまだどうなるかはわかりません。政府がもっと実のある支援になるようなものに改訂してくれることを祈るばかりです。

インドネシア政府は外資の参入により製造業が伸びたかと思いきやいきなり、外国人増え過ぎ!といってビザ取得に規制をかけたりなんやらかんやら今までもあるようです。既に外国人が生きにくい国になりつつあるという声も・・・。外国人だけならまだしも、こうしてインドネシア人ががんばってEコマースサイト立ち上げてどんどん電子商取引を活性化させよう!と動いているにも関わらず、規制をかけて政府のものにしてしまう。親心なのかなんなのか。どちらにせよ大きな勘違いだとしか思えません。今後の動向を生温く見守りたいです。

参考

Government To Push Regulation That Forces Indonesian E-Commerce Companies To Use Local Domains
Is the Indonesian Government Hurting Or Helping the E-Commerce Industry?
Upcoming Indonesian E-Commerce Law Doesn’t Look Too Good, Does It?

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