【書評】現地採用はノマドを生き抜くステップになるか

大石哲之(@tyk97) ディスカヴァー・トゥエンティワン 2013-03-29

 

大石さんの新刊を読みました。現地採用で働く立場から書評を書きます。

初めに彼の主張を引用します。

1.近代国家ではなく、グローバル企業・個人が主役になる新しい中世の到来

2.中心がなくなり、世界中に離散する組織や個人の形態

人によっては突拍子もない印象を受けるかもしれません。でも本書ではこの主張をジャックアタリの提唱した論と、紛れも無く実際に在る実例を根拠に置いて書かれています。読んでみると、ものすんごい説得力。

もしこれが突拍子もなく感じるのであれば余計に読んでほしいです。だって誰がどう思おうと、着実に世界はそうなっているんだもの。

以前住んでいたシェアハウスでもノマドノマド言われる前からノマド的仕事をしている方と一緒に住んでましたし、こうして海外に出るようになってから余計にそういう人に会う機会が増えました。なので僕にとってはとても納得のいくものでした。

 

現地採用は時代に逆行している存在

 

彼の主張に照らし合わせると、現地採用はとても特異な存在です。なぜなら、外国に居ながらにして日本人として日本語を使い主に日本人向けに仕事をしているから。

現地採用は本書でいうノマドではなく、一般社団法人グローバル教育推進プロジェクトの言うもののようです。

・日本人であることが前提

・日本企業が日本のビジネスを海外展開する際の、という前提

・そのための外国語コミュニケーションや、異文化の理解

・日本人のアイデンティティが強調されている

彼は本書の中ではこういう人材をノマド人材とは真反対にあるものと定義しています。今している仕事ってまさにこういうことです。

でも僕は思いました。最近の若い子はこういう仕事していても将来は違うところを見据えている人も多いんじゃない?

 

現地採用はノマドへのステップ?

 

僕が会ったことのある現地採用者の若者は、現地採用でありながらも、ノマド的な思考を持っている人も居ました。インドネシアに来たからといって永住するわけではなくどちらかというと引っ越しに近いし、次は別の国で働いてみたいなあなんて人も結構たくさん居ます。

今は日本人として仕事しているけども感覚としてはよっぽど無国籍。でも彼らはまだ20代。ノマド的に働くにはスキルがない。彼らは別にここで満足しているのではなく、どこかノマド的な進路を目指しているんじゃないか?と思います。

なんでインドネシアなの?て聞いても、正直そんなインドネシアのみにどうしてもという感情を抱いているかというと、みんなそうじゃないんじゃないかな。僕も今やインドネシア好きですけど、一生居るかと言われると、それは一生あのまま日本に居たのかどうかというレベルの質問になります。

それでもインドネシアで働けば日本とは全然違う労働環境で、景気もいいし、外国人には冷たくなってきたけど、半分外国半分日本みたいなものです。これってこれから海外で働いていくのであれば、一番良いステップなんじゃない?と思います。現地の人と否が応でも一緒になって働くし、それが出来ない人は駐在員であれ現地採用であれ拒否されます。

 

大事なのは自分は何ができるか

 

ただ同時に、海外で働いている現地採用でも意外と一番大事なことを理解していないんじゃないか、と思うことがあります。それは専門性であり、自分が何ができるのかということです。

インドネシアで働いて、次はどこそこの国に行きたい!とか欧米で働きたい!という人は居るのですが、んじゃそれは自分の何を武器にして働くつもりなの?となります。そういう人はやはりどこか、海外に居るから特別だという意識を持っています。

結局日本から離れてボーダーレスに働くのであれば、本当にどこに居ても問題ない仕事をするか、移動した場所で必要とされているスキルがあるかどうか。もし欧米で働きたくても、住みたい場所で自分ができることでバリューを発揮できなければ仕事はないわけです。

今現地採用で働いてこのお給料が貰えて、この立場なのは、日本人に対して日本語で日本人のなりして日本式に仕事ができるからです。それだけです。

 

だから僕らは自分は何ができるのか?誰に何を提供してお金を稼ぐのか?をより一層考えながら仕事していかなければなりません。

このノマド化していく時代において自分がどうなっていくのかなんて今の僕にはわかりません。でもとりあえず自分の今できることを今居る場所で追求してバリューを出せるようになりたい。そうなればきっと次の道も見えて来る。ノマド化する時代だからこそ、自分の仕事のバリューを追い求めることが大事。

その際に現地採用はとっても良いステップになる。

そう信じてこの不確実性の海を泳いでいきたいものです。

 

大石哲之(@tyk97) ディスカヴァー・トゥエンティワン 2013-03-29

 

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profile 著者:神農亮(Ryo Kanno)( @kanchan_r )
2014年5月までジャカルタで現地採用→6月よりフィリピン・セブ島の語学学校サウスピークで海外就職サポートの仕事をしています。ご相談お気軽に!
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