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2012-10-28

現地採用の悩ましさ

インドネシアで現地採用をしている同年代の方と飲む機会があった。

彼は言った。いつ日本に帰るの?

次日本で働くなら10年後とか30歳過ぎてからぐらいかなあ。彼は驚いたようだった。10年は長いなあ・・・。

彼がこの話を切り出したのはもやもやしたものが頭の中にあるからだった。それは目標がないことだ。

というのも、インドネシアの現地採用にキャリアパスなんてものは存在しない。日本の大手企業のように教育制度もなければ、5年やればどこそこのポジションなんて年功序列制もない。先輩の参考例もなければ、社内にも仕事のお手本になる人も限りなく少ない

彼は新卒でこちらの会社に就職したのだが、最初から研修教育などなにもなく即業務の中にぶちこまれるという現地採用ならではの環境に四苦八苦していた。でも彼持ち前の馬力で乗り切ってここまできていた。

そんな中自分の現状とこれからに不安を抱くのも無理は無い。英語もインドネシア語もできるかもしれないが、別にインドネシアで働けばその2つが自然と身に付くわけでもない。業務も実際に手を動かしているのはローカルスタッフで役割としては中間管理職。一度もオペレートの部分をやったことがなく最初から中間管理職。仕事のやり方も日本ほど厳密でなく数字にも甘い部分もある。日本での新人のように仕事に関して上司からのフィードバックがあるわけでもない。あるのはお客さんと1対1で仕事して喜んでもらえるか、失望させるかというどちらかの結果だけだ。

彼の悩みは現状に対する不安から来る将来の不安だった。今を不安な人は将来も不安だ。

ほんとにこのままで自分は大丈夫なんだろうか?日本に帰ったときにスキルを生かせる仕事はあるのだろうか?

僕は無いだろうと言い切った。少なくとも3年後なら。

なぜならこちらでつくスキルが必要な業務は今の日本の会社にはあまりないかもしれないからだ。英語とインドネシア語が必要な業務と言えば、インドネシアで駐在員やることくらいだろう。インドネシア人を管理するスキルもそうだ。今の日本でムスリムの外国人を管理するスキルは要らない。

それに今のレベルの仕事では通用しない。3年後日本で働くならこの3年間はあまり評価されないだろう。なんで3年で辞めちゃったの?と言われるのがオチだ。3年でインドネシアでスペシャリストになれれば苦労はない。

やはり10年くらい腰を据えてやらないと何も積み上らない。インドネシアで現地採用をしただけでグローバル人材になれることもなければ、グローカル人材になれることもない。全ては自分の努力の積み重ねによって起こすことだ。

こういった悩みは多くの現地採用を悩ましているんじゃないだろうか。これらは若くして現地採用で働くにあたり直面する悩みだ。

そういった意味では僕は新卒の海外就職は反対している。もし日本で基礎固めを3年してそこから来るならまた事情は別だろう。仕事の基礎力で悩むことも無ければ、教育が無いことを憂うこともないかも。その3年の間に将来のキャリアプランなんかもできるかもしれないし、語学の勉強もできる。

しかし外国語で仕事するのも初めて、仕事未経験なのに中途採用として入社、業界の専門的知識もないなど全てが初めてだらけで来るとこういう悩みは必ず出て来る。

もちろんこういった環境をフルに生かしてデキル仕事人になる人もいるだろう。現に現地採用でもっと何もない状態で上り詰めた人のことを知人から聴いた。どこにでもそういう人は居るものだ。

外国で働く人はスーパーマンではない。海外就職もスーパーサイヤ人になることではない。僕らのような普通の人が働く場所、生きていく場所を変えるだけ。しかしそこには日本で働き生きていくことよりも多くの障害がある。その障害は母国語できちんと何年か働くことで避けられるものもあるのは確かだ。僕らは普通の人なんだ。

さらにいえば3年働いて、こちらでもう3年働いた後も将来の不安が出るだろう。10年以上こちらでやってるうちの上司も言っていた。現地採用で3年くらい働くと給料の安さや将来のことなど必ず不安になるときが誰にでも来ると。目に見えている。

こういった中でいかに自分の目標を設定し、今仕事をコツコツして積み上げていくのか、それに正解はない。かくいうぼくとてもぼんやりしている。ただそれをやるのは全て自分だ。他人ではなく自分なのである。紛れもなくあなたの人生だ。

海外就職をすることはゴールでもなければかっこいいことでもない。ましてやスーパーマンになることではない。単なるスタート地点に過ぎない。

最後に彼と話した。自分で自分の未来を作っていかなきゃね、と。

 

 

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